鉢と土と肥料

鉢の種類は・・・

鉢の種類としては、焼き鉢、駄温鉢、テラコッタ鉢、プラスチック鉢、化粧鉢、紙製鉢等があります。
ここでは、通常、クリスマスローズの栽培に用いられている材質についてご紹介します。実際には、通気性・通水性に優れた素焼き鉢よりも、テラコッタ鉢やプラスチック鉢を利用する方が多いかと思います。
クリスマスローズの場合、確かに排水性も大事ですが、保水性も必要なことから、単に鉢そのものだけの機能を比較して、鉢を選択する訳にはいきません。クリスマスローズにあった、鉢と用土との組み合わせで、考えて行かなくてはいけないのです!

素焼き鉢(△)

材料の粘土を900℃くらいの低温で焼いた鉢です。
通気性・通水性にたいへん優れ、水も蒸発しやすいのが特徴です。夏場など、水分が蒸発する際に気化熱が奪われるため、鉢の温度が上がりにくいと言うメリットがあります。
一方、水はけが良すぎて、水やりのタイミングが増えてしまうこと、鉢がもろいため壊れやすいと言うデメリットがあります。そのためか、通常は7号ぐらいの大きさまでしか一般には販売していません。
雰囲気は良いのですが、水切れが早いので、管理が大変かもネ・・・。

駄温鉢(△)

材料の粘土を1100℃くらいの中温で焼いた鉢です。
素焼き鉢に似た形状をしていますが、縁部に釉薬が塗られています。素焼き鉢に比べて、通気性・通水性が不十分ですが、より高温で焼いているため丈夫です。また、断熱性があります。
個人的には、ちょっとクリスマスローズは似合わないように思います・・・かっこうがネ・・・。

テラコッタ鉢(○)

材料の粘土を1100℃~1300℃の高温で焼いた鉢です。
肉厚で丈夫ですが、通気性・通水性は駄温鉢より劣ります。通常、イタリアからの輸入物が多く、鉢底の水抜き穴が小さいため、水はけが悪いです。また、鉢底が平らなものが多いため、水膜がができて排水効果が悪くなることがあります。
洒落た形状のものが多く、ついつい選んでしまいたくなってしまいます。用土を水はけの良いものにして、組み合わせることが必要です。

プラスチック鉢(○)

プラスチック製の鉢です。
軽くて丈夫ですが、通気性・通水性は全くありません。排水性を良くするため、底面には多くの排水口が作られています。断熱効果はほとんどなく、夏場など鉢内の温度が上がってしまい、蒸れてしまうことがあります。
管理のしやすさからは、一番扱いやすいです。くりすは、プラスチック製の「菊鉢」を栽培用に用いています。

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用土は・・・

用土は、分類すると、鉢用土の主体となる「基本の用土」、基本の用土の欠点を補う「改良用土」、さらに基本の用土の通気性や保水性など物理性を向上させる「調整用土」の3つに分けられます。
「基本の用土」としては、赤玉土、鹿沼土、軽石が、「改良用土」としては、腐葉土、ピートモス、バーク堆肥、牛糞が、「調整用土」としては、バーミキュライト、パーライト、くん炭、ゼオライト、石灰(苦土石灰・カキガラ)等があります。
これらの材料の内、何を選択し、どういった比率で配合するかは、十人十色・・・様々です。くりすの用土は、以下の組み合わせです・・・

赤玉土(小粒:中粒=3:1)を6、腐葉土(JT)を3、そして、残りはパーライト、くん炭、ゼオライト、(鉢底に軽石)、(時にはバーク堆肥)等を配合しています。
ポイントは通気性を確保した上で、保水性と排水性の両面を兼ね備えた用土を作ることです。なお、実際には、上記の用土に、元肥としてマグアンプ中粒を加えています。

基本の用土

[赤玉土]

赤玉土は、関東ローム層の黒土の下にある赤土を乾燥させ、粒状にした褐色粒状の土です。弱酸性で、pH6.25です。通気性・保水性・保肥力に優れ、腐葉土などと混ぜて使います。
赤土は、粘土質が多いため、粒状にして、通気性を向上させることで、園芸用土としてとても有効な材料になりました。硬さから、硬質、上質、粒度から大・中・小の粒に分けられて販売されています。
硬質の方が崩れにくく、団粒構造を保つため通気性に優れています。クリスマスローズには硬質がベストかも知れませんが、年に1度は植え替えるので、上質で十分かと思います。
有機分をほとんど含んでいないので、腐葉土や牛糞などの有機分を1/3程度混ぜて使うのが一般的です。

[鹿沼土]

鹿沼土は、栃木県鹿沼地方で産出する、黄灰色の軽石質の粒状土で、比較的砂分を多く含んでいます。酸性で、pH5.75です。通気・保水性は良いが、保肥性に劣ります。
硬さから、硬質、上質に分類されて販売されています。くりすは、チベタヌスの栽培で使用したことがありますが、通常は使っていません。しかし、好んで使用されている方もいらっしゃるようです。

[軽石]

多孔質の火山性砂れきの粉砕物や天然の風化物を乾かしてふるいにかけたものです。中性でpH7.0です。通気性や排水性に優れている。また、多少の保水性もあります。
粒の大きさから、小粒、中粒、大粒に区分され、鉢底のゴロ土にも適しています。

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改良用土

[腐葉土]

カシやクヌギなど落葉広葉樹の落ち葉を堆積し、腐らせて土のようになったものです。通気性、保肥力をよくするために、赤玉土と混ぜて使用されます。有機質であり窒素含有量が高い。弱酸性でpH6.0です。通気性、保肥力があるが、保水性に欠けます。
一般には、完熟したものを使用することが望ましいと言われています。これは、完熟していない場合、つまり、葉の形がそのまま残っているような腐葉土では、病害虫のリスクがあるためだからです。
しかし、鉢土に使う場合、逆に完熟した腐葉土は水持ちが良すぎて、灰色カビ病などが発生し易くなる場合があるので、十分に注意することが必要です。

[ピートモス]

寒冷地の湿地帯に生える水ゴケが長年かかって堆積し、分解されて泥炭化したもので、繊維質を残し、腐葉土と似た性質をもっています。
強酸性でpH4.0です。1リットルあたり1~2グラムの石灰を混ぜて使うか、パーライトやバーミキュライトと混合して使います。酸度調整したものも販売されています。
通気性、保水性、保肥性、全て良好ですが、多量に使用すると、通気性よりも保水性が増大してしまうため、基本用土と混ぜて使うのが良いかと思います。

[バーク堆肥]

バーク堆肥は、広葉樹樹皮や製材時に出る木くずを、数年間野積み堆積して、塩分を除去して予備醗酵させたものに、鶏ふんなどを加えて数ヶ月堆積して発酵させ、堆肥化したものです。通気性、保水性、保肥性、全て良好です。
完熟していないと、炭素率が高いため、窒素不足となりやすいので注意が必要です。元肥として、または、弱った土壌の老化防止にも最適です。

[牛糞]

牛の糞を乾燥させて、粉砕したものです。バーク堆肥同様、遅効性の有機質肥料として使用されます。

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調整用土

[バーミキュライト]

蛭石(ひるいし)という石を高熱で焼き、粒子の孔隙を膨張させ、多孔質、粒状にしたものです。金色に光るごく軽い用土です。薄い板状のものが重なったような構造をしており、通気性・保水性・保肥力に優れた無菌の用土です。中性でpH7.0です。
有機分を含まず養分はありません。パーライトに比べると、粒子が壊れやすく、長期の植え付けなどでは、土の固相化を招くため、土中の空気の拡散が悪くなることがあります。
通常は、用土に1~2割加えて使用するが、くりすは、単体で種まきの用土として使っています。

[パーライト]

真珠岩を高温処理し、膨らませ多孔質にしたものです。通気性大、保水性大~中で、保肥性は低く、無菌で養分はありません。中性でpH7.0です。
粒子の大きさはいろいろですが、粒子に孔隙が殆どないため、粒径が大きいものは、保水性が低下し、通気性、排水性が良くなる傾向にあります。
パ-ライトは、とても軽いため、水に浮く性質があるので、水やりの時に流してしまわないように気を付けましょう。しっかりと用土に馴染ませることが大切です。

[くん炭]

モミガラを蒸焼して炭化させた黒色の炭で、とても軽いです。アルカリ性で、通気性・排水性・保肥性を高め、酸性の土を中和させます。
炭は多孔質であり、微生物のかっこうの住み家ともなるため、餌(堆肥)さえあれば、有害な菌をやっつけてくれるかも・・・。

[ゼオライト]

結晶性のアルミノ珪酸塩であり、イオン交換能力と吸着能力に優れた天然の非金属鉱物です。保水性、保肥力が高いです。
イオン交換能により、土壌中の水を活性化させ根腐れを防止し根張りを良くしたり、吸着能により、保肥性を高め、長期間肥効を持続させます。また、未熟有機物を大量施用したときに発生する有害ガスを吸着するため、葉やけ等のガス障害を防止したり、リン酸の吸着固定を防止します。

[石灰]

石灰資材には、生石灰、消石灰、炭カル、苦土石灰、貝化石、カキガラ等があります。
石灰は、酸性の土を中和させるために用いるため、やりすぎには気を付けなくてはいけません。アルカリになると、肥やけやガス障害の原因にもなります。
生石灰や消石灰は、アルカリ分が高く(80%以上)障害が起こりやすいので、アルカリ分が比較的低い苦土石灰(53%以上)やカキガラ(40%)等の遅効性のものがお薦めです。
なお、堆肥やアンモニア系の肥料とは、一緒に用いないで下さい。

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肥料は・・・

鉢植えの場合、鉢の中の用土からしか栄養を得ることができないので、肥料をどう与えるかは、大事です。

クリスマスローズの場合の肥料の与え方は、「元肥」として緩効性肥料を施し、「置肥」、「液肥」で追肥します。
植え替えの最適期は、9月~10月ですから、この時期に元肥を、そして、追肥として遅効性の置き肥を、10月~4月の期間に数回程度、また、液肥(1000倍液)を週1回、5月中頃まで与えます。
なお、6月より9月中頃までは肥料を与えてはいけません。また、肥料ではありませんが、「活力剤」も適宜利用すると良いでしょう。
更に、施肥する場合、注意しなくてはいけないこととして、「肥やけ」と「肥ぎれ」があります。

肥料の種類

肥料には、有機質肥料、化学肥料、液肥、そして、活力剤があります。
クリスマスローズの栽培にお薦めの肥料は以下の通です。

  • 「元肥」としては、緩効性の化学肥料である、(株)ハイポネックスジャパンのマグアンプK中粒(6:40:6)、菱化農芸(株)のIB肥料(10:15:10)等がお薦めです。
  • 「置肥」としては、菱化農芸(株)のIB肥料(10:15:10)等がお薦めです。
  • 液肥」としては、住化タケダ園芸(株)の花工場原液(5:10:5)、(株)ハイポネックスジャパンのハイポネックス原液(5:10:5)等がお薦めです。

また、「活力剤」としては、(株)メネデール科学研究所のメネデール、(株)フローラのHB-101等があります。肥料成分は入っていませんが、植物の活性に不可欠な微量成分が含まれていますので、適宜利用されてみたら如何でしょうか!

肥やけと肥ぎれ

鉢栽培では、「肥やけ」や「肥ぎれ」が起こりやすいので、施肥には十分に注意してください。

「肥やけ」は、根にある水分が失われることによって起こります。
肥料を与えすぎて、土壌中に溶け込んだ肥料分の濃度が、根の内部よりも高くなると、根の中にある水分が奪われてしまうのです。その結果、葉っぱの縁が黄化したり黒くなって枯れてしまいます。
なお、肥料の与え過ぎだけではなく、乾燥して水が上昇し、表層の肥料濃度が濃くなることによっても、肥やけしますので注意してください。

「肥ぎれ」は、「肥やけ」とは逆に、肥料不足によって生じます。
かん水によって、チッソ分やカリ分が流亡してしまうため、肥料不足になります。葉色が黄色くなりますので、これが注意信号です。液肥は肥ぎれを起こしやすいので、遅効性の肥料との併用をお薦めします。

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